【報告】痴虫が『Basser』の表紙&巻頭カラー8ページになりました。

 私、痴虫松本なんと2018年7月号のBasserにて表紙&巻頭カラー8ページになりました。これに関して、誰にも言ってもらえないから自分で言いますね「これは快挙です。」(笑) 
 今回はその僕が表紙になったBasserがまだ販売している内に、ブログで紹介しようと思って、気づけば半月が経ってしまいました。(書いている間に更に時は進みあと3日…)まさか、H-1の亀山戦があんな超大作になると思わなくて…。そんな訳で、前回のレポートを書き終えたばかりなのに、すぐさまこのコラムを書き始めることになりました。
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「表紙といえば、倉もっちがプレーボーイの表紙になった時は感動した。」


〈Basserさんとのこれまで〉
 Basserさんは僕がメーカーを始めて、一番初めにコラムの連載を持たせて頂いた雑誌です。2016年の6月まで8年と4ヶ月に渡り、100回のコラム「痴虫松本のチム史」を書かせてもらいました。始めは自分からお願いして、1年でも長くやらせてもらおうと必死だったのを思い出します。それ以外にもトップの特集や、色の特集でも取材をしていただいた事もありました。それから、Basser All Starclassicのブースでの展示販売は「塊」を経て今も痴虫単体でブースを出させて頂いています。そのBasser編集部の佐々木君から取材依頼のメールがを頂いたのは4月の末のことでした。

〈佐々木君との不思議な関係〉
 佐々木君といえば、H-1GPXや他の大会でも戦っている「選手」の一面があります。普段はむしろそっちの印象の方が強い。佐々木君がH-1GPXで年間優勝をした年、僕の中で彼は編集部員ではなくライバルの選手(しかも格上の)になったのです。あの年は僕も調子が良く(年間成績6位)、ギリギリまで年間優勝を狙って戦っていたのです。今思うと、まだまだ隙だらけで、ひっくり返せるはずのないウェイト差ではありましたが、それでも最後まで食い下がった記憶があります。
 思えばあの年の始まりも牛久沼でした。僕は4位(ボルチで1匹)、彼はビッグバドで2本釣って来て優勝。その、牛久の2本のアドバンテージを残りの4試合キープし続ける姿は、試合によっては滑稽でもありましたが、やっぱり凄かった。麻雀など、勝負事を好む彼の勝負師の部分と、仕事で数々の修羅場を見てきた経験から来る勝利への執念のようなものを垣間見ました。その佐々木君からの取材依頼です、ドキドキしながらも即答でOK。
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「送られて来た見本誌はもったいなくて開けずに保管(笑)」


〈メールから準備まで〉
 しかし、OKを出させて頂いたものの、緊張してました。そりゃそうですよ、今までの取材の規模とは違います。カメラマンは津留崎さん、ページ数は8ページでしかもカラー。普段モノクロ野郎の僕にはありえない、これは一大事だ!!取材の場所は何箇所かあり、そこから選択。取材日は数日のうちに、数度のやりとりで決定。この時点で表紙かどうかは聞いておらず(本が出るまで確認せず)といった感じ。
 とりあえず、この大一番に向けての準備として、場所決めを含めた下見に何度も行きました。とにかく、こんな指名をしてくれたBasserさんに失礼の無いように準備だけは万全にしよう、と。慣れている所は一人で、不慣れなところはコッシーにも手伝ってもらって釣り釣り釣り。メールから取材までの準備期間10日ちょっと、釣りしていない時も釣りのことばかり考えていたので、クリエイティブな仕事は手につかず、ほぼほぼ口を開けてルアー磨いてました(笑)

〈実釣取材とおかわり取材〉
 そんなこんなでいざ取材の日を迎えましたが、実釣は苦戦しました。状況は悪い目…。でも、よくDVDなどで一言目から「ここは超メジャーフィールドで…」とか「ありえない位状況が悪くて」とかネガティブワードを出しておいてから釣るというのを見て「じゃあやるな。」とか思ってるクチなので、黙って出来る限りの釣りを1日敢行しましたが、ダメでした。家に帰ってからも、釣りノートを見ながら、もっと他に出来たことは無いかを反省しました。そりゃ終わった後なので反省点は見つかりますが、現場ではあれがベストだったと思います。
 その後、おかわりフィッシングでなんとか魚を釣りましたが、それもまた大苦戦。それでも、その魚に出会うまで、ぶれることなく荒れることなく、ベストを発揮することに専念できたと思います。そうでなければ、あのおかわりフィッシングの魚とも出会えなかったでしょう。
 因みにおかわりフィッシングの日は濁りに加え、ものすごく風が吹いてしまって「終わった(涙)」と思ったんです。取材じゃなきゃ、釣りしない日です。でも、何かのヒラメキがあり、小さい海馬95でバイトを得た後に海馬オリジナルに変えて2匹。久々に、燃えました。そんなこともあり、最近は海馬のオリジナルサイズを再びよく投げるようになりましたが、やっぱりいいルアーです。断言できます。
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「上が海馬オリジナル、下が小さい海馬95
このサイズの差が荒れた日の釣果の違いを出したのか?それとも色の違いだったのか?(共に当日使ったルアー)」
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「オリジナルはボディが115ミリ、#5番ブレード
95はその名の通りボディ95ミリ、#4 1/2番ブレード」


〈取材を経ての感想〉
 正直夢にも思っていなかったBasserの表紙と巻頭取材。釣りもメンタルも崩さずに出来たのは、牛久沼のたまやボートのサンデーオープンから始まり、今は亀山ダムのむらボートの平日大会と、ほぼ毎月稽古として参加している、地元に根付いた大会で揉まれてきた結果だと思います。H-1GPXも鍛えられましたが、あれだけでは上手くなれない。場所(ホーム)を決めて、そこでちゃんと釣りをしている人たちと共に釣りをすることで学ぶ事がある。僕が2年間H-1GPXを休んでいたせいで、久しく釣りを見ていなかった佐々木君に「めっちゃ釣りが上手くなってる」って褒められたのは自慢です(笑)
 そして、今回の取材は僕にとって釣り人としてもメーカーとしても大きな飛躍の切っ掛けになったと感じています。それは、こうして取り上げて頂いたおかげで注目されてメーカーに箔が付いたと言うことを言いたいのではありません。確かに今回の事で色々な人から「痴虫ももうメジャーやな。」と言って頂きました。でも、それは周りが決めることで僕的には本当に何も変わらない所です。別に偉くなったり、収入が増えたわけでも無いですし。
 そうでなく、変化があったと言えるのは僕の心の中です。こういう重要な仕事をさせていただいたことで、痴虫と自分自身に対しての責任の持ち方が変わったんです。言うならば、今月のBasserさんの1位指名をもらった訳です。それに対して「僕は本当にそれに値する人間だったか?」「それに答える事が出来たのか?」ということを取材の準備から、本が出るまで何度も考えました。そして、その自問自答は本が出た後もまだ続いています。今の所、半分はその責任を果たせたと思っています。もう半分はまだ不安なままです。でも、変わったというのは、その不安な部分とは更に今後向き合って行くと決めた事。
 こういった大きな仕事を貰えた事、それをなんとか乗り越えた事、そしてそこに出た事に対する責任。そういった経験と気持ちの変化が僕の釣りや仕事の芯をまた1つ強くしてくれたと思います。
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「指名No.1風写真(良忍君の結婚式にて Photo by塚本さん)」


〈快挙といった理由〉
はじめに自分で「これは快挙です。」と言いました。そりゃ、本の表紙になったのだから誰だって自慢できる事ですし、みんな初めて表紙になった時はそういう気持ちだったかもしれません。でも、僕が言いたいのはそれだけではない。「痴虫」というのは、一人で勝手にルアーを作ってブランドを始め、誰の後ろ盾もなくやってきたメーカーです。完全な個人。
 大きなメーカーに所属し、そこから活躍する人達を僕は武士だと思ってきました。城に身を置く武士、そこには殿様もいれば、様々な階級の武士達がいる。城に仕える職人もいるでしょう。それに対して、僕は何か?自分の城を持った一国一城の主人(あるじ)?とんでもない。
 僕は武士ではなく町の職人(もしくは商人)です。戦にも興味があり、その為の武器を作っている職人。武士と違い、何にも属さず後ろ盾も無い。でもそれが僕のアイデンティティであり、プライドなのです。その町人の僕が城下町で頑張っている所を認めてもらい新聞の1面にでも載ったようなもんでしょうか。
 城に(大きなメーカーに)仕えれば簡単に本に載れるのか?表紙になれるのか?と言えばそうではないでしょう。結局はその人がどこまで頑張っているかに寄ると思いますが、城の信頼やブランド力がものを言う事もあるはず。何が言いたいかというと僕は個人でやってきて、それを信用してもらって大きな仕事を頂いたと言う事。個人だって頑張っていればそれを見てくれている人も居て、評価してもらえる事もあるんです。
 まるで何かを成し得たみたいになりますが、まだまだ旅の途中。僕は今後も自分の道を自分の力で歩いていこうと思います。その頑張りが、何か少しでも人の為になれば良いと思って。

〈最後に〉
 今回の取材において相談に乗ってくれた仲間のみなさん、指名してくださり取材してとても良い内容で仕上げて下さったBasserさん、本を見て買ったよとか、読んだよと連絡をくれた人達、本当にありがとうございました。両親も沢山買って知り合いに配り歩いているそうです(笑)


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by chimush1 | 2018-06-22 06:13 | コラム