続シングルスイッシャーについて

シングルスイッシャーは何者か?

昨日の続きみたいな物ですが、とりあえずこのお題ではシングルスイッシャーに言葉の上でのアイコン的な物をつけてあげようと思います。

シングルスイッシャー、それはズバリ「消え去ろうとしている日本文化」です。
うわ、わかり難い。
誰かから聞いたのですが、日本人の文化というのは、恥の文化という物らしいのです。
やっちゃえやっちゃえ、だけではだめで、自ら自分を抑制する。
我慢したり、露骨さを押さえたり、奥ゆかしい、心に少し余裕を持つというもの。
そういうのって、ワビサビっていうの?

まあ、そういう僕はゴリゴリに前に進むパワースタイルを良しとする部分があるのですが、たまにそういった部分が自分の中に残っている事も感じるのです。

トップウォーターの釣りというのは特にそういった部分を遊ぶのが残っているジャンルなのかと思うのですが。
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<ポム君の家系図>

ま、あんまり御託を並べると、ややこしくなるのでルアーを例に話してみましょう。
とりあえず今回は、最近のトップウォーターでは完全に主流となったダブルスイッシャー。
これを、同じペラ物としてキーワードを出して比べてみましょう。

ダブルスイッシャーは、アメリカン、プロペラ、半自動
シングルスイッシャーは、日本、ボディー+ペラ、程よい抑制の手動

そんなイメージです。

ダブルスイッシャーの構造のメインイメージはプロペラな気がするんです。
毎度書きますが、お互いを比べて、解りやすく整理した上での話です。
もちろんダブルスイッシャーもボディーは大事です、それは解っているけど印象としてはプロペラな気がします。ルアーとしてまずプロペラが仕事をしている。ルアーをつくる人間としては、案外個性を出し難い、デザインしづらいルアーとも言えます。あ、ちなみにこの場合のデザインというのは、形、ラインのデザイン性の話ではなく、動きのデザインです。どんな動きを出すかです。まあ、そこを楽しむのが、作り手の楽しみなんですけど。また、逆にプロペラが仕事をするのでビルダーの腕や、意思が無くても形になるのもこのルアーでしょう。

シングルスイッシャーはあくまでボディー+αのプロペラです。
常にボディーとプロペラのバランスを考えなくてはいけない。そうしないと動かないというか、そのバランスで動きの質をコントロールするんです。首を振った後の余韻を持たせて、スライドさせるのか?(ポムはそんな感じ)、ウェイトやプロペラで制御してテーブルターン系にするのか(Qpはこちら)、はたまたそれ以外の何か。作り手としては、すごく真っ当に構造と向き合う、面白いルアーなんです。作り手がそういった幅を持たせる事が出来るという事は、使い手もそのルアーの癖を知って楽しむ遊びが出来るという事です。

つまり、シングルスイッシャーはルアーの構造として、とても抑制の利いた物なのだと思います。
そこにこのルアーの奥ゆかしさと、かっこよさがある。
日本人としてのワビサビを感じる事が出来るのです。

と、ここまで書いて、やっぱりシングルスイッシャーはペンシルに似ているなー、と感じました。
僕が覚えている印象的な言葉に
「シングルスイッシャーは足かせのついたペンシルである。」
という言葉があります。
シングルスイッシャーのルアーとしての機能を見事に言い表した言葉だと思います。


というわけで、シングルスイッシャーはペンシルと同じ、最後に残されたワビサビのルアーだという事です。
ザラを効率よく使うアメリカ人と違い、日本人のペンシルはわびさびによる進化だと思います。

明日は、そのペンシルとシングルスイッシャーを比べる事で、さらにシングルスイッシャーを浮き彫りにして行きましょう。
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